雨宿りのテルテル坊主

PBWシルバーレインのPC、吊下骸の日記

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Rの誕生日



「これでもない、うーん・・・イメージと違うなー」

昼間の自室でMyベッドと称する座布団の上で転がりながら骸は悩んでいた。
今日は江間良将の誕生日である。

良将とは4月くらいからの付き合いで
GTで知り合って以来気になっていた鬼頭菫を追って
入団した結社の教室で知り合った。
二人して「菫先輩調査隊」という感じで遊ぶこともある。
そんな良将から初めての誕生日、素敵な贈り物を貰った。

今度は自分の番。
出来れば心に残る素敵なものをプレゼントしたいと思っていた。


だがどんなに考えても出てこない。
いっそ少し前から気になっていた腕輪をプレゼントしようかとも思ったが
なんとなく、それは憚られた。本能に。

「あー、これじゃ誕生日終わっちゃうヨ!」

広げているのはアクセサリー系の雑誌。
昼に差し掛かる前に書店に行って買ってきたのだ。
自分の知識では気の利いたモノを考えられなかったというのもあるが
それ以上にオシャレに疎いというのもあった。

「ピアス・・・オレンジの石も綺麗だけど・・・」

目が既に太陽だ、なんてまるでお芝居のセリフのようだと思いつつ
空色の石も素敵だと思った。


「あ・・・これだっ!」

昼間が終わる2時ごろ、テルテル坊主は駆けていった。








「良将ー!」


遠目に見えたオレンジに手を振る。
ここしばらく、彼がいつもの彼らしくなかった理由は左手を見てわかった。
―――新しいバンクル

彼が振り向くと同時にそれが光って眩しく見えた。

「良将、ソレ綺麗ネ!」

キラキラ光るソレを見つめて彼に歩み寄る。
幼子が宝物を見つけたような、そんな気持ち……。

「むくろじゃんっ!これねェー、てんちょっからのお守り!」

嬉々として笑う彼の顔に少し前の重々しさはなく、
それだけで自分自身も笑顔になる。
そして思う、本能は正しかった。

「いいなぁ、欲しい……」

「ん?ダーメ!いっくら羨ましくてもそれだけはダメなんだぜ!」

「……はっ!ごめんヨー、つい綺麗すぎて見惚れてたネ!」

はた、と自分が無意識に言った言葉と
返された言葉の違和感のない矛盾に気付いた。
話しの流れから「腕輪が欲しい」と解釈した彼と
彼の「笑顔が欲しい」と言った自分。
時折自分でもわからない無意識下で
他人を羨ましく思う心に気付きかけている。
危ない危ない戻れる内に戻らなくては。
それだけ自分ではない誰かの魅力に引き摺られている。
でも今日だけは・・・


そもそも今日、彼に用があったのだ。それを思い出せ。


「これネ、良将のお誕生日プレゼント!」

「お、ありがとっ!」

鞄とは別に提げていた紙袋から少し細長い箱を取り出して渡す。
開けていい?と聞く彼にどうぞと促す。

「あ、銀色の・・・なっ!むくろっ!これって・・・!?」

驚いて、目をぱちくりと瞬かせ、口を半開きにして呆然としている。




こちらを向いた彼に笑う。優しく意地悪に微笑む。

「僕ね、良将に何あげたら喜ぶかなーって凄く考えてたんだ」

日に日に近づく特別な日。それは一年でとっても特別な日。

「前に僕の誕生日、良将は素敵なモノをくれた」

いつも不安になる腕を支える両の手の布。それを留める太陽の欠片。

「それは今でも、とっても大事でね」

不安になると布を巻き直して留める。その度に支えられて気持ちが和らぐ。

「だから僕も、良将にとってとっても大事なモノをプレゼントしよう」

そう思って悩んだ。

「と思ったんだけれど・・・僕、何がいいかさっぱり思いつかなかったんだよね!」

今日の自分は変だった。
いつもなら自分の気持ちも何も隠して
不必要だと思ったことは何も言わないでいた。
いつもなら適当に誤魔化して相手がどう反応するかばかり気になっていた。
いつもなら相手が一番嬉しいだろうと思う気持ちを知りたいと思っていた。
今日だけは特別。ちょっとだけ、気の迷い。

「で、ちょっと前に計都とソレで遊んでたでしょ?」

「それでさ、本当にそう使うのか調べたんだ」

「そしたらさ、全然違うんだね!」

ただただ言いたいことを喋る口。己の無知を肯定する行いも気にせず喋る口。
いつもの癖も、名前の呼びも、話す相手と二人きりになることでつっかえが取れていく。
「無難な受け答えをする骸」は今日はおやすみ。

「一番好きな人に使ってあげなよ」

ここまで黙って聞いてくれた彼は笑っていた。
それどういう意味かわかって言ってるの?って冗談交じりに笑う彼。
意味なんて知らない。ただ、彼の一番好きな人は知ってるつもり。



名称:彩る手
設定:柔らかい色合いの口紅。君の手から愛する人へ、
    今度こそ正しくお使いください。



「特別な日はまた次もあるから、
 今日は僕の脳みそフル稼働させた結果で我慢してね」

次の誕生日にはもっと素敵なモノを用意出来るように頑張るから。
だから、次の特別な日までまた宜しくね。


親愛なるオレンジの君へ
君を一番の親友だと想うテルテル坊主より



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・*


「先輩そんなの使うんすか?」
「んー?これは違うヨ!友達のプレゼント!」
「へぇー・・・美人?」
「美人?格好良いとは思うヨ!」
「女の子への目覚め、的な感じでプレゼントっすか!」
「相手は男ヨ?」
「男に口紅贈るって!あれっすか・・・そういう趣味がある先輩っすか」
「違うネ!口紅の使い方間違ってるからちゃんと教えてあげるのネ」
「ちょい待ち先輩、男は知らない方が自然っす」
「ん?そうなのネ?じゃあ尚更自信ついたヨ!」
「あー先輩のそれは今に始まったことじゃないっすけど
 ・・・なんて名前なんすか?」
「んー?えっと、彩るt」
「違う違う!あげる相手の名前っすよ!」
「良将!良い将軍、書くネ!」
「へーその読みも珍しい・・・」
「僕ネー実は最初名前読めなかったのネ」
「ふーん俺ならヨシタダって読みやすけどね」
「でもちゃんと自分で名乗ってくれたヨ」



『オレ、江間っての!下は良将だよ、よろしくねェ!』

「だから彼は良将なんだよ」
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  1. 2007/11/24(土) 23:54:26|
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