雨宿りのテルテル坊主

PBWシルバーレインのPC、吊下骸の日記

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そしてほんのちょっとの勇気を貰った

朝は必ずやってきて、空はいつか晴れる日がくる
つかの間でも、永遠でも、それは変わらない
きた事実は変わらない


「・・・・・う、ダメ・・・それは反則です」
穏やかな寝から一変、眉間にシワがよる骸
頭の中を何かが駆け巡る
「ど、どうかそれだけはぁぁあああーーー!」
張り裂けたように叫んだのは夢でか現実でか
頭が熱でぼうっとしていく感覚だけがそこに残った
開いた目に入る光が多く、一度目を閉じて、また開けた

と、もう一つだけいつもと違和感がそこにあった

視界に映る色
頭に感じる温度
耳に伝わる音

薄紅
温かい
ノイズ


身を起こそうとよじれば、よく自分も穿くジーンズの擦れる音
視界を90℃半場横に変えるとそこにはターコイズのバックル
そうか、今日の枕は人の・・・

人の・・・?

目を再度、高速で上に戻した
薄紅の髪を揺らして、いつも見える琥珀の目を閉じた
亘理計都を目視した




絶句

普段見ることは少ない、ほぼ皆無と言っても過言ではない
亘理計都の寝顔を今、間近で見ていた
このまま何もしなければ、彼はきっと起きないかもしれない
(・・・・・。)
ぼやけてまともに見れていない、が少なくとも
彼は容姿も良く、女の子限定親切、そしてさりげない男さがある
これが年相応の女子であればときめくシチュエーションだ
骸の手が、計都の顔に近づく


ぷにっ

「・・・・・ん、なんだ・・・?」
骸が頬をつつくと同時に眉を寄せて目を開ける計都
「えへへ、おはよう」
骸が限りなく年相応とは縁遠いのも、また事実であった





「あのネ、ケイト君!」
「どうした、改まって?」

起きてからサービス品のおしぼりで軽く顔を拭い
計都のバイクで出発してから1時間弱
定食屋で少し遅めの朝食を味わっていた
きつねうどんの油揚げを最後の楽しみとばかりに
食べてから骸が計都に話しかける

「昨日はありがとう、嬉しかった」

そこにはいつものように笑って、頭を撫でてくれる彼が在た


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・*


――――――― 午後八時。

「で、ゴーストタウンへ行った経緯は何ですか?」
「あいヤ、純粋に強くなりたかったのです」
「全く、亘理くんとやらがいなかったら、今頃私の仕事がなくなってましたよ」
「・・・前に辞めたい、言ってませんでしたカ?」
「お給金がいいんですよ。あ、話しをはぐらかさないでください」
「はーい」
「やけに素直ですね」
「・・・そうですカ?」
「いつもならすぐに謝る癖があるでしょう」
「あいヤ、人に言われないとわからないものですネ!」
「どちらかと言うと、夢らしい」
「そうかも・・・しれません」
「否定しないんですか?」
「無理はしないことにしたのですヨ」
「・・・わかりました。今回の件はお互い様として目を瞑りましょう」
「本当の事、言うは悪いことじゃないですヨ?」
「本当の事を言って良い時と悪い時を見極める、それも私の仕事の内なんですよ」
「金鈴さんらしいですネ!」

――――――― 午後九時。

「・・・何か甘いものが食べたいですね」
「あ、ケーキならありますヨ?」
「では、それをいただけますか?」

台所から皿に切り分けられたケーキを持ってくる

「ショートケーキと見せかけて中はガトーショコラですか」
「いいえ、ショートケーキですヨ」
「・・・ショートケーキの中身はクリーム色のスポンジのはずです」
「そうならなかったので、工夫してみました!」
「だまらっしゃい、客に焦げたケーキを出さないでください」
「ケイト君は食べてくれたのに・・・」
「恩人に何出してるんですか貴方は」
「お菓子系は今だ修行中です!」
「まずは師でも見つけなさい」

淡々と進む会話――――――― 午後十時。

「・・・何だか楽しそうですね」
「・・・? 何がですか?」
「いえ、貴方が他人に返す反応以外で笑っていたので、つい」
「いつでも笑ってる気がしますヨ僕」
「相手の行なったことに対して笑っていることが多いでしょう?」
「そうですか・・・?」
「ええ、そうです」
「じゃあ、僕はきっと変わったんですヨ」
「・・・熱でもあるんですか?病院行きます?」
「な、何でそんな目で見るんですカ!?」
「いえ、前より自分に自信があるようなので」
「自分を見るのも、強さ、かな?と!」
「?のニュアンスが不安に駆られるんですが」
「まだよくわかってないのです、が気持ちだけでも」
「まあ病は気から、と言いますし・・・もう少し様子見させていただきます」
「これからはより一層、迷惑かけないように気をつけます!」

「・・・やっぱり熱でもあるんじゃないですか?あと、おかわり」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・*

バイクの音が鼓膜から響く

別れの時間がやってきた
しかし、自然と寂しさを感じない

「また教室でな」
軍艦アパートの前で計都がバイクから骸を降ろす
「うん、またネ!」

バイバイじゃない、また今度
その安心感を噛み締めながら骸はバイクに手をかける計都を呼び止めた

「あのネ、何も聞かないでくれてありがとう」

いつもより大分落ち着いた声で感謝の気持ちを紡ぐ
その顔には悪戯めいた子供のような笑顔

一歩、バイクに歩み寄る
二歩、敬愛なる友に歩み寄る
三歩、その友に向き直る

「ちょっと、顔貸してくれる、かな?」
「ん?・・・これでいいか?」

計都がバイクを止めて骸の背に合わせて腰を落とす

「おまじない」
顔を抑えて額と額をくっつけた

「計都の言いたくないことが、少しでも辛くなりませんように
 ・・・亘理計都に太陽あれ!」

イチゴで気になった気遣い
伏した目が、どことなく心にひっかかった
気休めでもいいんだ
自分は何が出来るか
ちょっとずつ自分を信じよう

「 」もまた、自分なのだから



「じゃあ、おかえしだ」
「・・・え?」
額を離して見つめれば優しく抱き締めてくれる感触

「…Of you various things be gentle for you」
貴方の周りが貴方にとって、優しくあるように
「はい、おしまい」
ぱっと手を離して立ち上がる計都に骸は服の端を掴む

「わ、わ、え!今のなんて意味!?」
「あぁ、今のは・・・内緒」
「うぅ、ケイト君、意地悪なのネ・・・!」

でも、内緒の方が面白い、かな?と骸が言えば
計都が、んじゃ二人だけの内緒って奴だな、と笑う
内緒、秘密、子供心が惹きつけられる
それを口に出せば、指きりでもしとくか?と話しは続く

夕方の紅い日暮れ時、小指同士が結ばれた



焦げたケーキを作る3時間前の出来事だった
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  1. 2007/10/01(月) 23:56:17|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

ありがとうございました!

成長過程の沈みSS上中下、これにて完です!
当初、ブログ内でのみ展開させる予定でしたが
計都くんからのお手紙に甘えさせていただき絡みSSに!ヽ(´▽`)ノ
計都くん、並びに背後様、お世話になりました!

・・・骸が凄い幸せ者です(*´ v `*)
  1. 2007/10/02(火) 03:09:20 |
  2. URL |
  3. てるてる坊主の影 #1ysID9Ow
  4. [ 編集 ]

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