雨宿りのテルテル坊主

PBWシルバーレインのPC、吊下骸の日記

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だから僕は毎日が楽しい

違和感の正体は多分きっとおそらく
自分で探してもわからない


新たな侵入者を迎えなくては



ホテルイチゴ貴族で骸は物音に気付く


鼓動が早くなる感覚は胸を圧迫して息を苦しくさせる
そのぎこちない息遣いが慣れなくて、目をぎゅっと閉じた
一歩、侵入者が部屋に踏み入る

先手必勝

脳裏に浮かんだ言葉でイグニッションを自動的に行なう
手にしっかり刻まれた武器の軌道を、無駄な動作をほぼ排除して
利き手を遠心力に乗せ、相手めがけて放つ!
が視界が安定しないことに気付く
靄がかかったような見づらさに眉を寄せる
ふと、いつもの自分の癖を思い出した
(あ、眼鏡・・・・・枕元!)
元々あまり良くない目に、廃墟には珍しい電源の残った部屋
光に弱い目には更に堪えた

ドアを破壊して手元に戻ってくる無数の刃、であり武器
その刃全てが戻る前にベッドから素早く降り、相手の懐に接近する
視界はこの際、二の次だ
直接攻撃すれば、多少の傷は与えられる


だがその切り込みは侵入者に掠ることもなく防がれ
迫り出した右手に胸倉を掴まれて、今日二度目の天井を拝んだ
ダンッといったのは床か、頭か、どちらにしろ
じわっと染みるような痛みが後頭部を覆う
「っ・・・!」
唇を噛み締めて咄嗟に目をつぶった

「何してんだ、お前」

低い声が上から聞こえてくる
誰、か・・・僕は知っているはずだった
目を見開いて、精一杯相手を見つめる
その髪も、目も、声も、知っている
知っているはず、なのに・・・怖くなった

「嫌っ!やだ!」

無我夢中で手を振り上げて押し退けようとする
上からの圧力を知っていても恐怖心がそれを止めない
空に足だけが空振りした

やがて振り回していた手足に疲れを感じ始める
徐々に強くなっていく相手の力
目の表面が異常に熱い。喉元を過ぎる空気が足りない
ようやく光に慣れてきた目を見開き、侵入者が名前を呼んでいるのに気付く


「骸!!」


肩で息をし、目を瞬きさせ、相手の輪郭を目で追いなぞる

「・・・ケイト君?」
碧落教室の仲間であり、大切な友人であり、いつも優しい彼
見慣れた桃色の髪が揺れ、琥珀色の目が合う
彼がココにいる。何故?この時間にゴーストタウンか、それとも・・・





暴れ終わったのを確認したのか、計都は骸を立たせ汚れた服を軽く叩く
無言でその動作を見つめる骸

「落ち着いたか?」

骸の背に合わせてしゃがんで問いかける計都
こくり、と頷く骸。鼓動が徐々に落ち着きを取り戻す

「で、だ・・・」
一つ程トーンの落ちた声に反応してビクッと肩を竦める骸
「え?うん!」
さっきのゴーストと勘違いした奇襲の申し訳なさも手伝ってか
酷くうろたえて焦る

「なんで人が心配するようなとこで寝泊りしてんだ?
 アパートに帰りたくねぇ訳じゃなさそうだけどよ」

まさか、彼は・・・自分に会いに来たのか?
いや、この流れだと迎えに来た、が正しいかもしれない
しかし、今この状況で問われたことへの返事を最優先した

「ご、ごめんなさい・・・ケイト君、怒ってる?」
普段の優しさを知っているからこそ、攻め立てられる立場に慣れていない
申し訳ない建前の上の恐怖心、本能で中々目を合わせられないでいた
不意に計都の手が骸の頬を支えて目線が合わされる

「謝れって言ってんじゃねぇんだぜ?」
不安を取り除くように一声一声、丁寧に言う。彼らしい
「危ない真似をはぐらかそうとしてんのにはちょっと怒ってる
 それに、心配してるのは俺の他にもたくさんいるだろ?」
そう聞かれてつい先日の会話でみんなが口々に大丈夫か?
と言ってくれたことを思い出す
GTでも寝泊りは自由だけど死なないように、と声をかけられた
みんな、それぞれ心配してくれた・・・
「・・・だって、」
その先は止めた。心配させないほど強くなりたいのは自己理想だ
言い訳だって好きじゃないし、現に心配されている
・・・何故?

言葉を切らして俯く骸を見て計都はそれに続ける
「理由が言えないならそれでもいいさ、
 誰にでも内緒にしてぇ事なんざあるんだからな
 ただ・・・無闇に心配させんなって事だ」
そう言って頭を優しく撫でてくれる計都に骸はいつもの安心感を覚える、
はずだった
何故だろう、懐かしさがしない
今日は疑問だらけだった


たった一言で全部わかる気がする、なのに気付けない


「で、どうするんだ?うち来るか、ちゃんとアパートで寝るか?」
頭を撫でながら様子を窺う計都に目線を合わせ、あの時の言葉を思い出す


『一人が寂しいからと人に甘えないのなら、一人をやめればいい』





息をたっぷり吸って吐いて呼吸を整えた
「アパートに帰るヨ僕・・・ちゃんと、寝る!」
いつもの笑顔に戻って元気良く返事をする
いつまでも一緒にいれたら素敵だな、と心に思ったのは本当
一度でも甘えたら元に戻れない自分の弱さを知っている

「よし、ちゃんと帰って寝るんだぜ?」
約束をして、立ち上がりその部屋をあとにする
眼鏡も忘れずに耳にかけた

「なんかあったらうちに来いよ」
そう言って再度頭を撫でてくれるその優しさが骸の中でひっかかった
「うん、今度お邪魔するネー!」
気のせいだ。いつものくだらない一時の寂しさだろう
その後はバイクまでの道のり、ひたすら湧いて出てくるゴーストを潰し
入り口まで談笑しながら進んだ
「部屋は2、3あるし、俺のベッド使っていいぜ?」
広いし、俺は隣の部屋で寝るから安心だろ、と計都が気を遣って言ったことに
「え?一緒に寝ないの!?」
と、骸は返した
バイクを目前として、ピタっと足の速度が落ちた
計都にとって、それは予測しかねていた質問だったらしい

「あー・・・いいか?骸もお年頃で女の子なんだから
 野郎と一緒のベッドで寝たらだめだぜ?好きな男なら別だけどもだな・・・」
お年頃、女の子、好きな男、その三つが骸にはわからなかった
ただわかるのは計都がお年頃な女の子(らしい)自分と寝れないことだけ
話しは早い。つまり一緒に寝れないのだ
けれど自分が相手を好きであれば問題がないのも事実
「僕はケイト君好きだから問題ないのヨ?」
骸はそれだけを伝えると見えたバイクに駆け寄り
何とも返答に困っている計都に振り返って手を振った

「えーっと、その好きが他の奴と全く一緒だったらやめといた方がというか・・・」
当の本人は言うべき事を纏めながらヘルメットを手に取り、
バイクのキーを取り出していた

「・・・骸?大丈夫か?」
「んっ!だ、大丈夫だヨ!平気平気!」
キーを挿し込み後部座席に骸を乗せた計都が気遣う
声をかけられてすぐに返事をするが、骸の顔色は優れない
まともに寝てなかったのが原因か、目の閉じる回数が増えている
走っている間に落ちる危険性を考えた計都は
積んであったロープに手を伸ばした
「とりあえず、これで縛っておくぜ?しっかり掴まってろよ」
ん、と頷いて前に手を回す骸は半場夢現だった
背中が、あったかい

そういえば、おとーさんにおんぶしてもらったこと、なかった










「・・・ん、く・・・ん」
「ん?寝ちまったか・・・」
「・・・くん」
(誰かの名前・・・か?)
「え・・・ま、くん」
(なんだ、江間か)
「江間くん、凄いヨ!!!・・・ケイト君、も勝てない・・・よ、むにゃむにゃ」
「何の夢だ!?」

バイクが名古屋を抜けて少ししてからの会話、だったという
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  1. 2007/09/22(土) 09:47:35|
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