雨宿りのテルテル坊主

PBWシルバーレインのPC、吊下骸の日記

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赤い電話は1度鳴る


粉々にした声
少女はその日、腕を得た










――――――半年前、数日後

天気は雪
地面を眩い白が覆った世界
そこに初めての跡をつけ
少女は向かう

公園へ・・・決戦に




はらはらと舞い落ちる雪景色
おさがりのくすんだ白いダッフルコートに
身を包まれて、少女は待つ

「金鈴」という人物を





―――サクッ

雪にまた一つ、新しい跡がつく
少女が手を擦り合わせながら、顔を上げる

黒いコートに、深く帽子を被っている・・・男
金鈴らしき人物は少女に近づき、声をかける
一方的に少女を知っている風な接し方だ

「やぁ、待たせたね」

声が・・・機械で紡がれた電子音のようだった
よく、サスペンス物で犯人が使っていそうな変声機


何故、今ここで使うのだ?
電話の時、生身の声だったではないか

「・・・本当に金鈴、さん?」

少女が怪訝な表情を浮かべる
男は変わらず話しかけてくる

「そうだよ、君の『会いたい』という意思に答えてきた」

さぁ、と子守唄を催促する・・・
今までの分も合わせ、最初から聞きたいと言ってきた

「な、なんで金鈴さん、今日はそんなに積極的なの?」

話しを逸らそうとする
一定の間隔を保ったまま、両者は互いの探り合いを続ける













――― 先に本性を現したのは、金鈴だった


「・・・ちっ、早いところ全部話せ!おまえ、どこまで知ってる!」

荒げた声を出し、こちらに近寄ってくる
変声機が独特の声音を生み出し、咆哮する

「どこまで?子守唄のどこが、そんなに大事なんですか!」

少女が後退りしながら、必死に対抗して発する
どことなく、頼りない弱々しい声

「はぁ!?機密情報だぞ?
 俺たちの一族は、小娘一人の戯言に振り回されてるんだよ!!!」

いまいち、状況を把握出来ない・・・
こうしてるうちにも、どんどん間合いを詰められる


子守唄は機密情報で、金鈴さんはソレを知りたい
一族・・・何か大きな組織があるのだろうか?



何でお母さんは、大事なこと、何一つ話してくれなかったの?



男の、金鈴の手が、ゆっくり少女の首を覆う
少し力を加えれば、簡単に折れそうな首

ただ、痛み耐性があるわけじゃない
必死になってもがく

不意に、金鈴が言った

「こんな奴、さっさと殺せば良かったんだよ・・・!」

目を見開いた、こめかみが熱い、息が詰まる

色んな感覚が混ざって、最後




金鈴の腕を握った少女の手が・・・・・暴発した




「ぎゃぁああああああああ!」

耳障りな声が響く
少女自身、何が起こったのか、わからなかった

わかるのは、
腕がじんじん痛みを帯び、流血していること
金鈴の腕が、骨しかないこと
そして、体の底から渇きを覚えた


べったりと、赤い染みが出来たコートは
くすんでいるにも関わらず、相対して
より白さを放っていた



「・・・・・・い、たい・・・」

雪の降りしきる12月、少女は得るものを得、
そして・・・散らした

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  1. 2007/06/16(土) 23:56:11|
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